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2021.03.02 17:36

亡くなられた方々に思いを馳せる

日が長くなると(秋は日が短くなると)「ああ、もうすぐお彼岸だな」など季節の変わり目と共に、両親、親戚、友人、知人達の御霊(みたま)様との会話や思い出がよみがえってきます。
 神様も御霊様もそれを喜ばれるとのことですから、いつもお守りいただいていることに感謝し、在りし日の姿などを偲びたいものですね。

 私の父は戦争で右手に鉄砲の弾を受け、全く動かなくなりましたが、「どうしても腕を切りたくない、飾りでもいいから」と残してもらい、傷痍軍人(しょういぐんじん)として戻ってきたそうです。
 熱心な仏教徒だった祖母が、出征からずっと毎朝お百度参りをしていたようですが、その祈りが通じたのか、左手で何でも出来るようになった頃いつの間にかその腕が動くようになったそうです。
 子供のころ、弾痕を見ながら、「あの時、右腕を切っていたり、もしそのまま動かなかったら、お母さんとは結婚しなかっただろう。そしたらお前たちとも会えなかったね」と話してくれました。

 私たちは一人でこの世に生まれてきたわけでもないし、皆それぞれに両親がいて、その両親もまた両親がいて・・・、その時々に自分の子供たちの幸せを願い、生かされつながれてきた命なのだと実感します。
 級数的な数の先祖の一人でも欠けていたら、今の自分はいない訳ですし、それらの人たちの遺伝子を受け、様々な足跡をいただいての現在の生活でもあると言えるのでしょう。

 願われてつながれてきた命だからこそ「霊様は生きている者の信心や思いによって救われていく」のです。そのことを、お彼岸には改めて心に刻んで過ごしたいものです。