2021.11.01 10:44
世話になるすべてにお礼を
実家は2~3年おきに転勤で引越し続きでした。
母は借家を出るときはどんなに忙しくても、いつも「入った時よりきれいに」と、せっせと掃除をしておりました。幼い頃から私たちも手伝わされたのですが、引越し先は必ずといっていい程汚れていて、その掃除から始まります。
「何でうちばかり!」と憤慨しながら手伝っていると、「お世話なった家にお礼をして綺麗にして出れば、後の人が喜ぶでしょ!」と言うのです。
テレビや洗濯機、冷蔵庫などの電化製品も、使えなくなっての買い替えでも、そのまま使えるくらい綺麗にしてから出していました。
「どうせ粗大ゴミになるのに?」と聞くと、「これまでお世話になったのだから、そのお礼をしているのよ」と答えるのです。
子供の頃は、手伝わされる大変さもあって、そんなものかな?とくらいにしか思いませんでしたが、歳を重ねると同じ事をしている自分がいます。
家でも物でも普段から少し意識していれば綺麗に保てますし、廃棄するときなどは大きなものだけではなく、お花でさえ「ありがとう」と声をかけると、何となく自分も明るい気持ちになります。
「お世話になるもの、すべてにお礼をする心」と金光教では教えておりますが、素敵なことだと思います。