My Diary

　夫が急逝してから、早いもので６月の３日が100日になります。手帳などを整理しているうちに、日々の書き込みを目にしました。
　彼は結婚後１年目くらいから引きこもり状態になり、10年ほどは仕事も出来ませんでした。初めの頃は「どうして？」と思いながらも失業保険もあるし、仕事のストレスなら、しばらくのんびりしていれば治るかと思っておりました。ところが、２年以上経ってもあまり変わりませんでした。
　私も仕事をしておりましたので、贅沢をしなければ生活は何とかやってはいけましたが、このまま外との接触を断つのは、将来的にも得策ではないと、何とか外に連れ出そうと考えました。
　幸い、写真好きな夫でしたので近くの野鳥公園への朝の散歩に誘いました。最初は渋っていましたが「いい被写体がゴロゴロしている」と聞いて、一緒に散歩してくれました。
　そこは爽やかな空気と自然の豊かな水辺で、今生かされている幸せを感じるにはとてもいい環境と時間でした。そのうち一人でも好きな時に出掛けるようになり、金光達太郎先生に私淑していたので、先生の話し方教室に通うまでになりました。その後も自分の好きなことはするのですが、プレッシャーのかかる仕事は最後まで続きませんでした。
　手帳には、「これではいけない、こうならなければ、もっともっと…」と思うができないそのプレッシャー。「生きている、そのままで価値がある」という妻はなんであんなに楽天的なのだろう。金光教の教えなのか　との書き込みもありました。
　頑固なくらい自分の好きなことしかやらなように見えた夫も、苦しかったのだとわかって、のん気な自分が申し訳なくもあり、逆にそのおかげで責めずに済んだのも知れないと、神様に感謝しています。